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神奈川県海老名市にある「ロマンスカーミュージアム」

その館内の「ロマンスカーギャラリー」に展示されている特急車両は
3000形(SE)、3100形(NSE)、7000形(LSE)、
10000形(HiSE)、20000形(RSE)の5形式です

この車両、それまでの「バーミリオンオレンジ」の車体色と異なり、
「ロイヤルケープレッド」の帯をまとった10000形です

先頭車は運転室から展望室までの傾斜が直線的になり
よりスピード感を増したデザイン
直線となった照明の光が展望室から運転室に伸びています

展望室以外の座席は高床にした「ハイデッカー」タイプ
(LSE車の床面より41cmも高くし、側面窓も10cm拡大)

そのため、展望室以外の乗降ドアでは、2段のステップを乗降して
出入りする仕様になっています(これが10000形の悲劇となります)

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SE、NSE、LSEに続いて、連接台車を継承
ドアは車掌室用

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なかなか見る機会がない、連接台車

「連接」のメリットのひとつは、横揺れが少なく、高速運転時の安定性が増し
乗り心地が良い・・・という点だそうです

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登場は1987年、引退は2012年と25年ほどの現役でした
先に登場したNSEは、1963年製造、運用終了は2000年と37年以上の活躍

10000形の後、新特急車両20000形、30000形が登場し、
この10000形は「小田急ロマンスカー」のイメージリーダー(CMやポスター等々での主力の立場)の
役割を終えたのですが、交通手段の変化、時代の変遷等もあり、ロマンスカー利用者が減少

その中のひとつの理由と思われたのが、「展望席」の有無・・・
後継2車種は、展望席の無い、所謂、一般形の車両でした

「小田急ロマンスカー」のイメージは「展望席」からの景色

後継2種にはないけど、それを持っていた、この「10000形」が
再びイメージリーダー・・・旗手に抜擢されたそうです

しかし、製造からある程度の時期が経ち、更新時期になって
直面したのが、「バリアフリー」対応でした

車椅子等でも、乗降が可能な車両を義務付ける法律が成立してて
既存の車両に関しては、更新時にバリアフリー化する義務が生じました

この10000形では、高床式、乗降扉部にあるステップを改造する事は難しくて
更新を見送る・・・事となり、新特急車両の投入に合わせて、廃車へと・・・。

しかし、小田急ロマンスカーとしての活躍は終了しましたが、
「長野電鉄」へ無償で譲渡、再び、走り出す事になりました

バリアフリーに対しては、展望席が平床だったのでそこで対応

小田急時代は長い11車体で、段差のあるドアが多数、ありましたが
長野電鉄では4車体に短縮した事で、平床ドアとステップドアが同数となり
「バリアフリー」化をクリアした形になったようです

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20000形(RSE)
正面から見ると、丸っこい感じに見えます

SSE車に代わって、JR御殿場線乗入れの「あさぎり」用に登場しました

それまでは小田急車両による片乗入れでしたが、JR東海でも新型電車を開発し
相互乗り入れする事になり、基本仕様を相互に合わせて誕生

連接構造や展望席はやめ、その代わり?に2階建て、特別席を設置

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2階建て車両の一部には、1階席にセミコンパートメント室を設置

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背後が狭くて・・・狭苦しい写真になってしまいました

2階席は2+1の特別席

この20000形も、平屋車両はハイデッカーで乗降ドアにはステップ、
2階建て車両では階段で行き来する仕様だったため
先の10000形同様、バリアフリーに引っかかる事になります

さらに「あさぎり」運用の他、御殿場線運用の合間に小田急線内の特急にも
運用されたのですが、2階建て、特別席の存在と他型式の特急との違いが多くて
運用面等で扱いにくい車両となっていったそうです

JR東海が投入した「371系」の老朽化、御殿場線利用客の減少も有り
豪華な設備を持つ20000形も21年間の運用で終了となりました

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サイドから見ると、結構、鋭角なフォルム

個人的に、このパステルカラー的な塗装より、10000形のような真紅の塗装だと、
また与えるイメージも違うかもと思ってしまいます

この20000形、小田急ロマンスカーの中で、唯一、乗車機会が
ないまま、廃車となってしまいました

7000形、10000形、いずれも展望席や座席部に入れるようになって
いたのですが、その写真が無いのは、孫1号が「先へ先へ」と
せかしてくれて・・・消化不良のまま、先へ進みます

撮影日:2021年10月24日

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